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ファイナンシャル・プランナーはどんなことをするのか

ファイナンシャル・プランナーに「お金の相談」をしたら、どんなことをしてくれるのか、お話したいと思います。ファイナンシャル・プランナーといっても、いろいろなタイプの人がいて、その相談方法もまちまちです。よってここでご紹介するのは、あくまで私(村井)のご相談方法です。

ファイナンシャル・プランナーによる家計診断の基本は、「キャッシュ・フロー分析」です。中には、資産運用や保険の選択など、特定の分野に特化して、その相談だけを受ける人もいますが、私の場合は「キャッシュ・フロー分析」を行い、その上で運用や保険のご相談を受けています。

「キャッシュ・フロー分析」とは、現状の家計の状況を伺い、それを基に1年後の家計収支、2年後の家計収支を推測していき、10年後、あるいは30年後なの家計状況を推測していく分析手法です。そうすることで、将来の家計の状況が、今の段階でおおよそ把握できるようになります。

              1年間の収入 - 1年間の支出 = 年間収支

              前年の貯蓄残高 + 年間収支 = この年の貯蓄残高

この考え方を毎年繰り返していくと、10年後でも、30年後でも家計の状況が推測できるわけです。自宅を修繕したり、自動車を買い替えたり、といった大きな支出がある年は年間収支がマイナスになります。その年は貯蓄残高が減少することになります。ときにそういう年があっても気にする必要はありませんが、それが続いて、貯蓄残高までがマイナスになると問題です。貯蓄残高がマイナスということは、家計が破たんしている状態ですから、なんとか回避する必要があります。今の段階で、将来に危機的な状況になることがわかれば、改善策を考えればよいわけです。将来の状況をつかみ、問題があれば早めに対策が取れるのが、「キャッシュ・フロー分析」のメリットです。

もちろん、実際には計算どおりにならないこともあります。予想外に大きな出費があったり、いつの間にか少しずつ支出が膨らんでいることもあります。分析する期間が長くなればなるほど、現実との誤差は大きくなります。ただ、それでもあらかじめ、将来の状況が予測できているのといないのでは、大きな違いがあるでしょう。

ファイナンシャル・プランナー向けの専用ソフトもありますが、手書きで表を作っても、エクセルを使っても作成可能です。自分で作ることも可能ですし、退職者研修などで導入している企業もあります。(私も研修の講師をすることがあります。)ファイナンシャル・プランナーに依頼すると、有料にはなりますが、より妥当な分析になるでしょう。数多くの相談を受けていますので、微妙な〝さじ加減〟ができるからです。

さて、一般のご夫婦からのご相談による家計分析と、ひきこもりのご家族からの家計分析ではどう違うのでしょうか?

基本的な考え方は、上記の「キャッシュ・フロー分析」によりますので、同じです。ただ、一般的なご夫婦の場合は、そのご夫婦の平均寿命(正確には「平均余命」となります。)までの分析となり、そこまでに貯蓄を維持できていれば問題ありません。それに対して、ひきこもりご家族の場合は、ひきこもりのお子さんの平均寿命(余命)までを対象とし、そこまで貯蓄が維持できるかを分析します。分析の期間が40年、50年にも及ぶ長いものになります。

もう1つの特徴は、親とひきこもりの子の家計を一体のものとして分析する点です。多くの場合、ひきこもりのお子さんは親と同居しており、家計は一体です。別居している場合もありますが、それでもその子の生活を支えているのは親の家計です。そこで、親が生きているうちは、ひきこもりの子の生活費も親と一緒に計算し、親が亡くなると親の資産をその子がそのまま引き継ぐものとして計算します。ひきこもりではない子(ひきこもりの子の兄弟姉妹)が相続する資産は「出金」として計算します。このように計算すると、現在の状況から親亡き後の子の生活までが、一連の流れとして推測できるようになります。

ひきこもりの子が、生涯にわたって「収入を得られない」前提で分析するのも特徴です。そのような状況で、貯蓄の状況がどのようになっていくかを見ていきます。もちろん、ひきこもりのお子さんが仕事をして収入を得られるようになることもあります。それは、「収入を得られない」場合を基本として、アレンジしていきます。どのくらいの収入を得ると、どのくらい状況が改善されるか、ということも予測できます。

この辺りは一般の相談とは違うところで、ひきこもりのご家族のご相談を多く受けているファイナンシャル・プランナーに依頼した方が適切です。「キャッシュ・フロー分析」では、パターンを変えての分析も可能ですので、ご希望の状況に合わせて分析することもできます。