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ひきこもりの原因

ひきこもり家族の家計相談をしていますので、多くのご家族とお会いしました。私たちがお会いするのは、たいてい親や兄弟姉妹です。ご相談の面談では、現在のご家族の状況を伺います。今の状況に至った経緯を伺うこともあります。

私(村井)はひきこもりのご家族のご相談を受け始めた頃は、比較的余裕のあるご家庭ばかりではないかと思っていました。
「仕事をしないで引きこもっていられるぐらいなのだから、裕福な家庭の子どもだろう。。。」

世間一般によくある思い込みです。
ところが、実際に相談を受けてみると、そうばかりではありませんでした。経済状況が厳しいご家庭のお子さんもいました。働かないと生活が苦しい状況であっても、ひきこもりになる時はなるのだと思いました。傾向としても、必ずしも裕福な家庭が多いとも言えず、ご家庭の経済的な余裕が、ひきこもりを誘発しているわけではないと感じます。

両親ともにいるご家庭もあれば、ひとり親のご家庭もあります。比較分析したわけではありませんが、おそらく一般的な傾向とそれほど変わりはないと思います。

兄弟姉妹がいるか、一人っ子かについても、どちらもいて、特に明確な傾向は感じられません。そして、ひきこもりではない子は社会生活に問題なく、自立して家庭を築いている場合もあれば、子どもが複数でひきこもり、あるいはそれに近い状態だと伺うこともあります。兄弟姉妹の存在が、ひきこもりに影響しているのかどうか私にはわかりませんが、特別な印象はありません。

発達障害など、もともと本人の対人関係に支障があったという場合もありますが、そういうケースばかりというわけではありません。お話を伺うと、比較的、繊細で神経質なお子さんが多いように感じはします。しかし、誰でも多かれ少なかれ、神経質な面は持っているはずですから、それがひきこもりの原因と言えるのかどうか。。。

都市部と地方でも明確な違いはないと思います。私たちへの相談が多いのは、首都圏と関西圏ですが、そもそもこの地域の人口が多いことと、私たちの面談場所がこの地域に偏っているためです。地方の家族会や精神保健福祉センターなどから講演の依頼をいただくこともあり、どの地域でもご家族や支援者が集まり、いろいろな状況を伺います。

浪費家の子どももいれば、ほとんどお金を使わない子どももいます。本人の金遣いの傾向は、将来の資金計画に大きく影響します。あまりお金を使わない子の方が、働かないでも生きていける資金計画が立てやすくなります。しかし、生涯働かなくても生活できるから引きこもっている、というわけではけっしてありません。将来の資金状況まで計算してひきこもりを始めた、というケースは聞いたことがありません。逆にどう考えても厳しい状況でも、ひきこりになることはありえるわけです。

少なくとも、私がお話を伺っている限りでは、ひきこもりのご家族はそれぞれがさまざまで、明確な傾向は見えません。このサイトには「ご相談を依頼されるご家族の傾向」という分析を掲載していますが、これはあくまで相談を依頼される人の傾向であって、ひきこもりのご家族の傾向ではありません。

私は精神分析の専門家ではありませんので明確には言えませんが、面談の経験からは、子どもがひきこもりになる原因は「わからない」というのが正直なところです。何が悪かったのか、育て方が間違っていたのか、と考えても、意味はないのではないかと思います。

それよりも、これからどうしていくか、を考えていくことが大切です。

ファイナンシャル・プランナーへのご相談では、これからのご家族の資金計画を考えます。どのようにしていけば、親亡き後も、ひきこもりのお子さんが生涯、生活していけるかをシミュレーションしていきます。お子さんの状況、家族の状況、資産の状況。これらはすべて〝与えられた材料〟であり、その材料を組み合わせて、将来の計画を作ります。ご相談をしていく中で、前向きな気持ちになっていただければと思います。

 

「ご希望の担当者」を選べるようになりました

「働けない子どものお金を考える会」のファイナンシャル・プランナーにご相談を希望される際は、このサイトの お問合せ 画面から申し込むことができます。
ご相談の申込み画面に、「ご希望の担当者」の選択欄ができました。
ご相談の際には、選んだ担当者が応対いたします。状況によっては、ご希望とは別の者が担当することもありますが、ご容赦ください。特に希望がない場合は「特になし」を選ぶこともできます。

ファイナンシャル・プランナーに相談をしたことがない方がほとんどだと思います。それだけに、少し不安があるかもしれません。ご家庭の状況を恥ずかしいと考える方もいるかもしれません。
でもご安心ください。多くの方が「勇気を出して、相談してよかった」と言われます。
ご相談料は、1時間につき1万円(別途消費税)。その後は30分ごとに5,000円(別途消費税)となっています。担当者によっては別料金で、将来の資金状況を見通す「キャッシュ・フロー表」の作成を承ります。(面談場所によっては、交通費がかかる場合があります。)

コロナ禍でも、ご相談のご依頼は続いています。Zoomなど、インターネットを介した面談も増えていますが、依然として直にお会いしてのご相談も少なくありません。やはり、直接お会いすることで得られる安心感は小さくないようです。

私たちのメンバーの面談場所は、東京・神奈川と京都と、偏っています。一方、お子様の将来が心配で悩んでいる方は全国にいます。
私たちもコロナ禍を契機としてZoom、skypeなどのオンラインでご相談できる体制を拡充しています。このおかげで、面談での接触を減らすだけでなく、地方や遠隔地の方もご相談がしやすくなりました。郵送でのご相談もやっています。もちろん、直接お会いしてのご相談も、感染対策に配慮しながら継続しています。

私たち「働けない子どものお金を考える会」は、会社やNPO法人などの団体ではなく、有志のファイナンシャル・プランナーが個人で集まって、ご相談の体制を運営しています。
メンバーリストそれだけに、統一された方針があるわけではありません。しかし、それでも基本的な考え方にそれほど違いはありません。働けないお子様やご家族の状況を尊重しながら、どうしたらできるだけ良い人生を送ることができるかを、家計の面から考えます。
ご相談場所やご相談方法から、ご都合のよい担当者を選んでください。迷われたら「特になし」を選んでいただいて構いません。

担当者の雰囲気を見たい場合は メンバー紹介 をご覧ください。

 

新版『ひきこもりのライフプラン―「親亡き後」をどうするか』

出版されたのが昨年(2020年)4月ですので、今からご紹介するのも遅いのですが、今までご紹介していませんでしたので、この機会にご紹介させていただきます。
岩波ブックレット『ひきこもりのライフプランー「親亡き後」をどうするか』が2012年6月のことでした。当時はまだ、今ほどにはひきこもりが知られてはおらず、一部の若者の現象と思われていました。ひきこもりが、40代、50代になっても続くということが認識されていなかったのです。

ひきこもり支援の第一人者である精神科医の斎藤環氏と畠中雅子の共著で、読みやすいブックレットという形で出版されました。筑波大学の齋藤先生による「ひきこもりの理解と対応」で支援の考え方を説明し、畠中の「ひきこもりのライフプラン」で生活設計の方法をご紹介しています。
生涯、就業しないで生きていく、というサバイバルプランの考え方が、初めて紹介されていました。それまでは、ひきこもり支援といえば、「就業すること」が目標にされがちでしたが、あえて就業しないライフプランが提示されました。けっして回復をあきらめるのではなく、「なんとかなる」という安心感を持つことが社会へと踏み出すきっかけになるという考え方です。

新版「ひきこもりのライフプラン」2020年4月に、内容を一部改訂して「新版」として再び出版されました。基本的な考え方は同じで、最近のトピックスが加えられていますので、これから読む方はこちらを購入されてください。「ひきこもりのライフプラン」の章では、「家族信託」が加わりました。親亡き後の財産管理の手法として、注目を集めています。

ブックレットですので、ページ数は112ページと少なく、価格は720円(税別)。簡単に読めますので、ぜひご覧ください。
※旧版と間違わないように、検索する際は「新版ひきこもりのライフプラン」と入力されてください。
アマゾンでの購入はこちらから