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後見人の制度

本人が、財産の管理ができない、悪徳業者にだまされるのではないか心配だ、という場合に、別な人に財産を管理してもらうのが、「成年後見制度」です。働けない子どもを持つご家族にとって利用可能なのか、見てみましょう。

まず、後見とは何か、確認してみましょう。精神上の障害により、判断能力が欠けている人の財産を後見人が管理し、本人に代わって取引や契約をしてもらう制度です。本人がしてしまった不利な契約を後見人が取り消す場合もあります。未成年の子どもの財産を親が管理するもの後見ですが、ここでは成年後見制度を見ていきます。

成年後見は〝精神上の障害〟が制度利用の前提で、認知症や知的障害、精神障害などが対象になります。よって、「ひきこもり」というだけではこの制度は使えません。お子さんが利用する場合は、知的障害や精神障害と診断されていることが必要になります。ただ、財産を管理していた親が高齢になり、認知症となった場合に利用する可能性がありますので、ひきこもりにとってもかかわりのない制度ではありません。

利用方法としては、①本人(子)が利用する場合 と ②親が利用する場合 があります。本人が利用する場合は、本人の財産管理や契約代理を後見人にしてもらうことになります。一般的には、親が本人の財産を管理し、取引を代理することが多いと思います。後見制度は、本人名義でまとまった金額の財産や不動産があり、それを処分する場合などに利用をすることが多いようです。

親が高齢になって判断能力が低下してきた場合は、子が代わって財産管をすることが多いのですが、子がひきこもりなどでそれがかなわない場合に、後見制度を利用することができます。

いずれにしても、法律行為(財産を処分したり、契約したり)は、本来は家族であっても代わって行うことはできません。しかし、日常的には家族が行うことが一般的で、金額が大きくなければそれほど問題ありません。ですから特に支障がなければ、わざわざ家庭裁判所に申立てをして、後見人を立てるほどのことはありません。しかし、大きな財産を取引する必要に迫られて、あわてて申立てをすることが少なくありません。不動産など、大きな取引では、相手方から求められることもあります。

 

成年後見制度は大きく分けて、「任意後見」と「法定後見」があります。「任意後見」は、本人が判断能力のあるうちに、後見人になってもらいたい人と後見契約を結んでおきます。後見契約は公正証書にしておきます。そして、本人の判断能力がなくなった段階で、家庭裁判所に申立てます。家庭裁判所が後見監督人を選任すると、任意後見人による後見活動がスタートします。本人の財産を任意後見人が管理し、さらに任意後見人を、後見監督人がチェックするようになっています。主に高齢者が認知症に備えておくのに利用されています。お子さんがひきこもりで、自分が認知症になった場合にお子さんの支援が期待できない場合などに向いています。管理や代理をしてもらう範囲は明確に決めておきます。事前に契約を結んでおくわけですから、自分の信頼できる人に依頼できるので安心できます。あわせてひきこもりの子の様子も見てもらうぐらいはお願いできるかもしれませんが、子の財産管理まではお願いできません。

「法定後見」は、本人に判断能力がない場合に、家族や市区町村長などが家庭裁判所に申立てをすると、家庭裁判所が後見人を選んで、後見活動がスタートします。後見人は家庭裁判所が選任するのですが、申立ての時点で希望を出すことはできます。親や子、兄弟姉妹などの家族が選ばれることもあれば、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が選ばれることもあります。後見人には特に資格は必要ないため、士業などの専門家ではない市民後見人が選ばれるケースもあります。

法定後見は、本人の判断能力の状況で、3つのランクに分かれています。財産に関するすべての行為を代理するのが「成年後見人」です。財産の管理、契約の代理の他に、本人が結んだ不利な契約を取り消すこともできます。裁判所が定めた一定の契約を代理したり、取り消したりすることができるのが「保佐人」です。さらに障害の程度が小さい場合は「補助人」が選任されます。いずれも場合も、日常生活での取引については、後から取り消すことはできません。