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中高年のひきこもりの本、発売

私たちの代表・畠中雅子の新著が発売になりました。

『お金のプロに相談してみた! 息子、娘が中高年ひきこもりでも どうにかなるって本当ですか?ー親亡き後、子どもが「孤独」と「貧困」にならない生活設計』
時事通信社 1,600円(税別)

<内容>
序章 ひきこもり家族の高齢化は想像以上に進んでいる
第1章 サバイバルプランの考え方ー金融資産と固定資産の確認ー
第2章 家の確保がサバイバルプランのかなめ
第3章 人的ネットワークも重要な資産
第4章 保険・年金を活用してサバイバルプランを実現させる
第5章 資産額1000万円、2000万円、3000万円でサバイバルプランは成り立つのか
第6章 子どもに教えておくべき、一人暮らしの生活術
第7章 親の資産だけで生き抜けないときの、生活保護の知恵

私たち「働けない子どものお金を考える会」のメンバーがご家族にお話しする内容がつまった本です。
事例もたくさん入っていますので、知識だけでなく、具体的にどうすればよいかがわかります。
ひきこもりだけでなく、病気や障碍で働くことができないお子さんを持つご両親にも参考になるはずです。
ぜひ、ご覧になってください。

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ひきこもりの相談をファイナンシャルプランナーに!?

私たちは、ひきこもりのご家族の家計相談を受けているファイナンシャルプランナーの集まりです。

「ファイナンシャルプランナーって、お金持ちが投資の相談をする人ではないの?」

確かに、資産家に対して資産運用のアドバイスをすることはあります。富裕層の相続の相談を受けることもあります。しかし、それはファイナンシャルプランナーの業務の一部です。
ファイナンシャルプランナーが対象にしているのは〝生活者〟すべてです。個人、そして家族の生活設計をお手伝いするのが、ファイナンシャルプランナーの役目です。ご相談者が、ご家族が、できるだけ充実した人生を送れるように、資金計画をご一緒に考えます。
そのためにも、ご相談者やご家族の状況を伺い、その方そのご家族にあったご提案をしています。ご回答もアドバイスも、ご相談者次第で、それぞれ異なります。

誰もがその人なりの充実した人生が送れるように、資金面でのアドバイスをしていますが、ひきこもりのお子さんを持つご家族にも同じように、そのご家族の状況に応じたお話をしています。お子さんが働けない状況であれば、資金計画はなかなか厳しくなりますが、それでもその中で、できるだけ充実した人生を送れるようにご提案をしています。

「子どもが働くように言ってもらえるのですか?」

ご両親からすると、お子さんが立ち直って収入を得られるようになり、自立してくれることが最大の願いです。ただ、残念ながら、お子さんをそのように導くことは私たちの専門分野ではありません。また、お子さんに将来の経済状況が厳しいことを教えたら、すぐに働く気になるわけでもありません。私たちは、たとえお子さんが生涯にわたって働けなかった場合でも、なんとか生きていけるように、資金計画を一緒に考えます。資金面での不安を取り除くお手伝いをしています。

「子どもが立ち直るのを諦めろと言うのですか?」

私たちは、お子さんが生涯働けない場合でも暮らしていける生活設計を考えます。(それを「サバイバルプラン」と呼んでいます。)資金計画は、お子さんが全く給与収入を得られないことを前提に作成します。しかし、それはけっして「お子さんの立ち直りを諦める」ということではありません。「最悪の状況を考えて、それでもなんとかやっていけるように考えましょう」ということです。その後、お子さんが仕事をできるようになり、少しでも収入が得られれば、それはそれで良いことです。当初の資金計画とは違ってきますが、〝改善〟ですので問題ありません。貯蓄が増えて、その後の生活に余裕ができます。最初は、あくまで「収入が得られない場合」を考えておき、状況が変われば、またその時点で見直していけばよいのです。

「働かなくても生活していけることがわかると、ますます仕事への意欲を失うのでは?」

これもよく心配される点です。ファイナンシャルプランナーですので、ひきこもりの勤労意欲について、明確には申し上げられません。しかし、資産があると勤労意欲を失うわけではないことだけはわかります。実際、富裕層の人は勤労意欲が低いわけではありません。むしろ、経済面での安心感を得ることが、今後の人生を投げやりにではなく、前向きに考えようという気持ちに向かわせるのではないかと思います。
ひきこもりのお子さんが仕事をするには、まず他者との交流ができるようになる必要があります。その段階ではお金の問題よりも、前向きな気持ちになれることが大切なのではないでしょうか。それには経済面で追い詰められた気持ちになるよりは、安心感を持てる方がプラスに働くのではないかと考えます。

将来のお金の問題は、はすぐに対応しなければならないことではありません。そして、できれば目を背けたいことかもしれません。しかし、いつかは〝親亡き後〟が訪れ、ご本人は一人で生きていかなければいけません。そして、そのための準備は早い方が良いでしょう。たとえお子さんが働けるようになったとしても、資金計画を考えたことがムダになることはありません。先送りしたい問題ではありますが、この機会に考えてみましょう。